評価の考え方の一つである「成果主義」。
その名の通り、「社員の成績で評価する」考え方であり、コロナウィルスの影響でテレワークが広まった現在注目を集めています。
今回は、成果主義についてみていきましょう。
成果主義とは
成果主義とは、社員の仕事の成果により評価を決める方法です。
勤務年数や年齢、学歴、仕事への姿勢は評価内容に含まないため、高い成果をあげることができれば若手社員でも処遇や給料が上がる可能性が、反面ベテラン社員でも成果をあげることができなければ厳しい評価になることもあります。
この成果評価のほかに、仕事の過程や姿勢も評価の内容にいれる企業もあれば、完全に成果評価だけを行う結果主義の企業もあります。
コロナウィルスの影響で成果主義が増加
新型コロナウィルスの影響により、テレワークやリモートワークを取り入れる企業も増えてきました。
その結果、成果評価を評価方法に加える企業が増えています。
従来の評価方法では、時間管理によるものが多く、評価者である上司が評価対象の部下の仕事への姿勢や勤務態度、取り組み方を見て評価していました。
しかし、在宅勤務も可能になった現在では、この時間管理による方法での評価が難しく、どのくらいの成果を出したかで評価する方法が広まっています。
成果主義のメリット
最近広がりつつある成果主義。
そのメリットを見ていきましょう。
①社員のモチベーション向上
成果評価では、成果を出せば出すほど高い評価を貰うことができ、それに伴い処遇もよくなります。
年齢や勤続年数、等級などで賃金を固定している場合、いくら頑張っても評価されないと能力の高い社員から不満がでてしまいますが、成果主義では頑張れば頑張るほど評価されるため社員のモチベーションアップにつながるでしょう。
社員の成果を正当に評価する方法なので、「良い評価を出したい」という社員の意欲を引き出すことができます。
②人件費の見直しが可能
多くの企業では、等級や役職につくことのできる人数は限られているでしょう。
また、それにより手当や給料も固定化されているケースが多いです。
成果主義を取り入れることによって、頑張っている社員の報酬が低く、そこまで成果を出していない社員の報酬は高い…と固定されていた人件費を見直し、それぞれの成果に見合った報酬を支払うよう見直すことができます。
この人件費の最適化によって、優秀な社員の流出を防ぐことができるでしょう。
③能力開発の促進
成果がそのまま評価にされるわけではなく、決められた時間内に効率よく仕事を終わらせることを従来の時間管理による評価では重視していました。
しかし、成果主義では成果を出さなければ高い評価は貰うことができません。
高い評価を貰うという明確な目的ができるため、自分の能力を磨こうと自己研鑽に励み、結果として社員の成長にもつながるでしょう。
成果主義のデメリット
成果主義にはデメリットも存在します。
こちらも把握しておきましょう。
①社員の長期的育成が困難
成果主義では、結果だけを見るためその仕事にどのように取り組んだのか、どのような考え方をして行動したのかといった過程を見ません。
そのため、短期的な成果だけを求めてしまいがちになり、仕事をしていくうえで大切な考え方や基礎力が軽視されがちになってしまいます。
②個人主義的になりがち
仕事をする上でチームで行動することは必要です。
しかし、成果にこだわりすぎるとチームのことを無視し、個人で行動するようになってしまいます。
また、成果を出すためには多少のズルや他人の足をひっぱるといったモラルに反することに手を出す社員も出てくる可能性があるため、注意が必要です。
③社員の離職率の増加
個人でどんどん成果を上げていきたい、という人には成果主義は向いていますが、社員の中にはそうでない人もいます。
内向的な性格であったり、大器晩成型の社員、事務職のように縁の下の力持ち的な仕事を行っている社員にとっては、成果主義は好ましくなく、また評価を定量的にはかりにくくいです。
全ての職務に成果主義のみを導入する、などの極端な評価方法にする場合は、「合わない」と感じ離職する社員が増える可能性があります。
まとめ
成果主義は、社員の仕事の成果により評価する方法で、新型コロナウィルスの影響により取り入れる企業が増加しています。
メリットとして、
・社員のモチベーション向上
・人件費の見直しが可能
・能力開発の促進
デメリットとして、
・社員の長期的育成が困難
・個人主義的になりがち
・社員の離職率の増加
といったことが挙げられます。
成果評価だけでは極端になりがちなため、他の評価制度と組み合わせて自社に合ったものを作りましょう。