絶対評価と相対評価、どちらにするべき?メリット・デメリットを解説

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「絶対評価と相対評価、どちらが優れているのか」という議題はよくあがります。
どちらにもメリット・デメリットはありますが、現在の主流は絶対評価のようです。

今回は、絶対評価と相対評価の違いと、それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。

絶対評価と相対評価の違い

人事評価における絶対評価と相対評価の違いをみていきましょう。

まず、絶対評価は、設定した目標の達成度合いによって処遇を決める方法です。
周囲の達成度合いは関係なく、自分の目標を達成しているか・していないかによって高評価・低評価がつきます。
また評価基準も、職種やポジションによってそれぞれ異なるものが作成されます。

一方相対評価は、他の社員との比較で評価する方法です。
そのため、良い成果を出しても他の社員がもっといい評価を出していれば評価は下がりますし、反対に自分の成果が悪くても周りがもっと悪ければ自分の評価は上がります。
評価者側からすると相対評価は評価しやすいですが、頑張っても評価されない、手を抜いている人が評価されるといった不満も出やすいです。

絶対評価と相対評価のメリット・デメリット

絶対評価と相対評価のメリット・デメリットは以下の通りです。

絶対評価相対評価
方法期間を定め、その期間内の目標の達成度で評価他の社員の目標達成度と比較し、順位付けして評価
メリット目標を達成すれば,他の社員の評価に関係なく高評価を貰える昇給などの調整がしやすい
デメリット昇給など、評価者側の調整が難しい評価者による贔屓などにより不満が出る
社員の成果が全員上がらなくても高評価者が発生する

絶対評価は社員それぞれの目標の達成度によって評価するので評価の納得感は得られやすいですが評価者側の調整が難しく、反対に相対評価は評価者にとって処遇の調整がしやすいものの、社員からの不満が出やすいのが特徴です。

現在は絶対評価重視の傾向

人事評価において、現在は絶対評価を取り入れるべきだという傾向が強く見られます。

絶対評価では、どのような基準に基づいて評価されたのか、なぜその評価になったのかが明確なため、社員からの不満も出にくく、きちんと評価されているという実感を得られます。

また、社員一人ひとりが目標を達成したか・していないかで評価が決まるため、社員は目標を達成しようと無駄な業務を減らし必要な仕事に集中しようとします。

また、きちんとやったぶんだけ評価されるため、社員のモチベーションアップにも効果的です。

相対評価が完全になくなったというわけではありませんが、上記の理由から現在では絶対評価が主流となっています。

絶対評価を運用する際の注意点

現在の主流は絶対評価ですが、単純に導入すればいい効果が得られるかといえばそうではなく、いくつか注意点があります。

まず、絶対評価における目標設定は、単純な業務の成績だけではなく、そこにいたるまでの過程や考え方まで考慮する必要があります。
評価を出しさえすればいい、という考え方になってしまうと、社会人としてのモラルやマナーに反する社員が出てくる可能性もあるので、気をつけましょう。

また、目標設定は社員それぞれに対して行う必要があります。
所属する部門や職種だけではなく、同じ部署でも、勤続年数やポジションによって要求するレベルを変えましょう。

このように、絶対評価は運用する際に評価者側の負担が大きいですが、上手に運用すれば人材育成にも活かすことができます。
上手に運用して、企業全体のパフォーマンス向上へとつなげていきましょう。

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