既に人事評価制度を取り入れている企業は多いと思います。
人事評価制度は、上手に運用すれば、社員の処遇を決めるだけでなく、人材育成や社員のモチベーションアップにも効果的です。
反対に、人事評価制度が自社に合ったものでない場合、これらの効果は得られにくくなってしまいます。
今回は、スタートアップ企業やこれから人事評価制度を導入したいと考えている企業、人事担当者へ向けて、人事評価制度の作り方のポイントを解説します。
人事評価制度の作り方
それでは、人事評価制度の作り方を説明していきます。
①目的を明確にする
人事評価制度を作る際には、まず目的を明確にしましょう。
目的は、社員の処遇を決める「評価」の面だけではなく、企業のビジョンや経営方針、求めている人物像などを考慮していきます。
そうすることで、ただ評価するだけの制度ではなく、人員配置や人材育成、採用にも効果的です。
人事評価制度を作る際の目的としては、大きく以下の5つが挙げられます。
- 給与や賞与など、社員の処遇の決定
- 人材育成
- 人員配置
- 企業のビジョンや経営方針の浸透
- 採用活動
>>人事評価制度の目的について詳しくはこちら<<
【人事評価制度の目的と評価担当者が気を付けたいこと】
②評価基準を決める
人事評価制度の目的が決定したら、次は評価基準を決めていきましょう。
一般的には、次の3点が評価基準として挙げられます。
- 業績評価…評価期間にあげた成果や目的の達成度。
- 能力評価…評価期間に発揮された能力や、求めているスキルを保有しているか。
- 情意評価…行動や態度での評価。勤務態度、協調性、仕事への意欲、規律順守など。
それぞれどのような比率で評価するのかなども決めておきましょう。
③評価方法を決める
評価方法は企業がそれぞれ決める必要があります。
主に取り入れられているのは以下の3つの方法です。
目標管理制度(MBO)
社員個人やチームでそれぞれ目標を設定し、その目標の達成度で評価する方法です。
社員の目標と企業の目標をリンクさせることにより、生産力や業績の向上を狙うことができます。
ここで定める目標は、社員自身が設定する必要があり、「現状では達成は難しいけれど、工夫をすれば達成可能」なレベルが望ましいです。
>>目標管理制度(MBO)について詳しくはこちら<<
【MBO(目標管理制度)とは?メリットとデメリット】
コンピテンシー評価
社内で好業績を出している社員や、その人物の上司や同僚にヒアリングし、その人が行っている行動や考え方をモデルに落とし込み評価基準を決定していく方法です。
社内に理想のモデルとなる人物がいない場合は、管理職や経営者で話し合いのうえ「理想の姿」を設定していきます。
>>コンピテンシー評価について詳しくはこちら<<
【コンピテンシー評価とは?メリットとデメリット】
360度評価
評価者である上司だけでなく、同僚や部下、他の部署の社員などの複数の人が評価をする方法です。
能力や成果を評価するよりも、仕事をする姿勢を評価することが多く、上司からの見られ方やほかの社員とどのようにコミュニケーションをとっているのか、現場でどのような能力を発揮しているのかなど、多くの情報を取り入れることができます。
>>360度評価について詳しくはこちら<<
【360度評価とは?メリットとデメリット】
④評価結果をどう反映させるのかを決める
最後に、昇給や降格の基準など、評価をどのように反映させるのかを決めていきます。
人事評価制度での評価がきちんと反映されることを示すために、昇給の流れや給与・賞与の一覧などを準備しておきましょう。
まとめ
人事評価制度の目的・役割は、ただ評価するだけではなく、人材育成や採用、ビジョンや経営方針の共有にもあります。
自社に合った人事評価基準を作ることができれば、効果的に運用しやすくなり、社員・企業をともに成長させることができるでしょう。