コンピテンシー評価とは?メリットとデメリット

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アメリカを中心に人材活用の場に取り入れられたコンピテンシー評価ですが、近年日本でも取り入れる企業が増加しています。

今回は、コンピテンシー評価について説明していきます。

コンピテンシー評価とは

「コンピテンシー」とは、職務や業績で高評価を出している人が、その成果について行っている思考や行動の特性のことです。

コンピテンシー評価は、高い評価を出している人材を分析し、その行動特性をモデルとして評価基準を設定し評価する方法です。

社内に好業績を出している社員がいる場合、その人物や上司、チームメイトからヒアリング・インタビューを行いモデルを落とし込みます。
もし好業績者の数が少ない場合は、管理職や経営者で「理想の姿」を設定し、項目に落とし込んでいくことが多いです。

設定した項目を他の社員の評価基準とし、好業績者は理想と実態のかけあわせで設定していくことで、社員全体のレベルの工場が期待できます。

コンピテンシー評価を導入するメリット・デメリット

それでは、コンピテンシー評価を導入することによってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
それぞれみていきましょう。

コンピテンシー評価のメリット

コンピテンシー評価のメリットは大きく4つあります。

①従業員への評価が容易に

従来の主観による評価方法では、評価担当者の好き嫌いや私情がはさまり、適切な評価がつけづらいということがあります。

コンピテンシー評価では、理想となるモデルの明確な定まっているため、達成している部分・足りていない部分がわかりやすく客観的な評価をすることができます。
結果的に評価に対する社員の不公平感も薄まり、離職率の低下も期待できるでしょう。

②効果的な人材育成が可能

どのような行動、思考をすればいいのかのモデルが明確なため、会社が社員にどのようなことを期待しているのかを具体的に伝えることができます。

理想の姿を共有することで、社員も成果を上げるためにどのようなことをすればいいのかがわかりやすくなり、人材育成に効果的です。

③生産性の向上

仕事で好業績を出している人を目標として設定し、その人のコンピテンシーを他の社員にも取り入れることで、組織全体の生産性の向上につながります。

特に社内に好業績を出している社員が複数いる場合、共通点を丁寧に分析し他の社員に伝えることで、早期の効果が期待できます。

④経営戦略が立てやすい

コンピテンシー評価を行うことで、それぞれの能力や行動を把握しやすくなります。
適性を見極めやすくなるため、人材マネジメントなどの経営に関する戦略を立てやすくなります。
また、人材配置や育成方法の違いによる社員の不満を和らげることも可能です。

コンピテンシー評価のデメリット

コンピテンシー評価にはデメリットもあります。
それぞれみていきましょう。

①導入難易度が高い

コンピテンシー評価には、基本的なテンプレートが存在しないため、自社でオリジナルで作らなければなりません。

モデルの分析・設定や評価基準の確立、後述する社員の正しい理解を要するなど、多くの時間と労力が必要です。

②自社に合ったものを作成する必要がある

コンピテンシー評価を設定する際には、何を目的とするのかを定める必要があります。
目的に合った評価になっていない、自社の社風に合っていないモデルの作成をしないよう、分析・落とし込みをしなければなりません。

③変化への適応が難しい

評価基準を細かく分析するため、経営状況の変化などに対応しづらいという面もあります。
一度設定したらそのままにしておくのではなく、企業の成長に合わせて、必要な行動特性も変化させていきましょう。

④社員の正しい理解が必要

モデルを設定した後、社員からの理解を得ることが運用には欠かせません。
なぜそうするのか、目的や方法を社員に十分に理解してもらわなければ、上手な運用ができないだけでなく、社員の不満も生まれてしまいます。

まとめ

コンピテンシー評価についてみてきましたが、いかがでしょうか。
メリットとデメリットは以下の通りです。

メリット
・従業員への評価がしやすくなる
・効果的な人材育成が可能になる
・生産性が向上する
・経営戦略が立てやすくなる

デメリット
・導入の難易度が高い
・自社に合ったモデルや評価基準を作成する必要がある
・環境の変化への適応が難しい
・運用には社員の正しい理解が必要

コンピテンシー評価は、導入までの道のりは長いですが人材育成に効果的な優れた制度です。
まだ導入していない会社は、自社の好成績者を分析するところから始めてみてはいかがでしょうか。

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