社員のモチベーションを保つのに重要な人事評価ですが、評価者ごとに基準が異なるなど、公平な評価は難しいものです。
人事評価システムは、目標や実績を管理・共有することで適正な評価を行うことを支援するだけでなく、人材育成にも活用できます。
導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
人事評価システムとは
実績や目標、経歴や給与などの人材データを一括管理し、それをもとに組織体制や人員配置を決めるために分析・評価を行うシステムのことを人事評価システムといいます。
人事評価システムを利用することで、目標・実績の管理や社員の適正な評価を行うことができるだけでなく、社員の育成や評価の公平性を実現することができます。
人事評価システムの機能
人事評価システムの機能には、主に以下の3つの機能があります。
①目標・進捗管理機能
評価対象の社員、その上司、人事部の間で、目標設定や進捗、フィードバックを共有することで、データの集計・管理がしやすくなります。
それぞれ別の場所で社員個々人のプロフィールデータを管理するよりも効率的です。
②MBO評価機能
MBO(目標管理制度)は、社員個人またはグループごとに目標を設定して、その達成度合いで評価を決める方法です。
社員が上司と相談し自分で目標を設定することで、社員の「やらされてる感」をなくし、貢献意欲を持つこと、会社のビジョンの浸透と個人と会社の方向性を合わせることを目的とします。
人事評価システムでは、このようなMBO評価機能も搭載されていることがほとんどで、目標の達成度合いや進捗の管理を効率的にすることができます。
>>MBO評価について詳しくはこちら<<
【MBO(目標管理制度)とは?メリットとデメリット】
③360度評価機能
評価者の主観によらないようにするために、評価対象者の周りにいる上司や同僚、部下がお互いに評価する方法をを360度評価といいます。
個人の主観の影響を標準化することができますが、評価者の人数が多い分データの管理も大変になります。
しかし、人事評価システムを使用すればこのような膨大な量のデータ管理も容易になり、人事担当者の負担を軽減することができます。
>>360度評価について詳しくはこちら<<
【360度評価とは?メリットとデメリット】
人事評価システムの形態
人事評価システムには、主に二つの提供形態があります。
①クラウド型
クラウド型の人事評価システムは、インストールが不要で複雑な作業も必要なく初期投資も少なく済むため、最初に取り入れやすいです。
データはクラウド上に保存するため、バックアップも自動で取ることができ、評価の共有がしやすく評価者・評価対象者ともに納得のいく評価をしやすくなります。
②オンプレミス型
オンプレミス型の人事評価システムのメリットは、自社に合わせた評価システムの構築が可能なことです。
反面、システム構築が必要なため導入までの期間がクラウド型と比べて長いこと、初期費用がかかるので、独自の評価基準がある、従業員規模が大きいという会社におすすめです。
人事評価システムの選定ポイント
人事評価システムを導入を検討している際の選定のポイントは以下の三つです。
①操作性
評価項目は多岐にわたるので、膨大なデータを簡単に処理できる操作性が必要になります。
標準的な人事評価表をテンプレートとして実装している人事評価システムであれば、それをもとに自社に合った評価基準を作成することができます。
また、インターフェースが使いやすいかも大事なポイントです。
どのデータがどこにあるのか、わかりやすくシンプルなもの、また評価基準や項目を柔軟に変更できるものを選ぶと良いでしょう。
②他システムとの連携は可能か
勤怠管理や残業管理、会計システムなど、既に導入しているシステムとの連携が可能化も評価システム導入を選ぶ際には重要です。
人事に関する業務をシステムで一元化することができれば、人事担当者の業務の効率化にもつながります。
③部署の統廃合・人事異動の対応ができるか
社員情報の登録や変更、人事異動の際のデータの移動がしやすいというのも大切なポイントです。
社員数が多ければ多いほど管理するデータの数も多くなるので、素早く対応できるかも人事評価システムを選ぶ際に注目すると良いでしょう。
人事評価システム導入後に意識すること
人事評価システムを導入した後は、以下の点を意識して運用していきましょう。
①評価結果をデータとして評価に活用する
今まで好調だった社員の業績が急に悪化した時、今までのデータの蓄積を活用することで客観的な評価をすることができます。
外部環境によるものなのか、社員のモチベーションが下がっているのかなど、現在のものだけでなく過去のデータも分析することで、原因を把握しやすくなります。
②今までの評価と導入後の評価に大きな差はないか
人事評価システムは、個人の主観によらず客観的な評価を行うことができますが、システムに頼りすぎてしまわないように気をつけましょう。
今までの評価と、システムを優先した評価に大きく差があると、社員からは不満や不信感を持たれてしまいます。
もし、システム導入後の評価と前の評価に大きく差が出た場合、分析・検証をしっかりと行い、なぜそのような評価になったのかを誤解のないように説明できるようにしましょう。
まとめ
以上、人事評価システムについて、機能やポイントをまとめました。
人事評価は社員のモチベーションや育成に関わる大事な制度です。
人為的なエラーや社員からの不満を防ぐためにも、自社に合ったシステムを選び上手く活用していきましょう。