転職先に提出することの多い「身元保証書」。
身元保証書には身元保証人の記載が必須ですが、もし頼める人がいない場合にはどうしたらいいのでしょうか。
今回は、身元保証書について詳しく説明します。
身元保証書とは
まずは、身元保証書についてみていきましょう。
なぜ身元保証書が必要?
企業に提出する身元保証書には、二つの機能があります。
一つ目は、採用決定者が入社後に企業に対して損害を与えた場合に、その損害を補填する金銭賠償機能、二つ目は採用決定者が従業員としての適性格を有することを保証する人物保証機能です。
従業員が無断欠勤をした際の窓口としてや、精神疾患の対応においても身元保証人は重要です。
身元保証人にはどのような責任があるのか
基本的に、入社後に身元保証人に連絡がいくことはありませんが、以下のような損害を従業員が企業に与え、その補填ができない場合身元保証人の責任になります。
- 横領
- 詐欺
- 無断欠勤
- その他企業への意図的な損害
ただし、身元保証人の責任範囲は「身元保証ニ関スル法律」により下記のように限定されます。
身元を保証する期間
身元保証の契約期間は三年または五年です。
自動更新にはならず、更新したとしても最長五年のため、期間限定の契約となります。
契約の解除
従業員が企業に損害を与える恐れがある場合や業務内容の変更、人事異動の際は身元保証人へ通知する義務があります。
保証人は、通知を受けて「身元を引き受けられない」と判断した場合、契約を解除することができます。
万が一通知が来なくても、身元保証人がその事実を知り契約の解除を希望すれば解除することも可能です。
身元保証人を守る法律があるので、もし損害補償となった場合でも、企業の管理体制や監督責任も考慮されます。
そのため、身元保証人の賠償額は大体二~四割となることが多いようです。
身元保証人は誰に頼めばいい?
それでは、身元保証人は誰に頼めばいいのでしょうか?
条件などをみていきましょう。
身元保証人の条件
企業によって身元保証人の条件は異なります。
一般的には、経済的に独立をしており会社が適当だと認める者二名が身元保証人として認められます。
父母兄弟や配偶者、近親者からと細かく指定されることもありますし、経済的に独立していれば誰でもいいという場合もありますので、よく確認しておきましょう。
身元保証人を頼む際の注意点
身元保証人を頼むときは、必ず本人の同意を得てください。
企業によっては本人確認をする可能性もあるため、勝手にサインするのはやめましょう。
身元保証人というと、借金のようにマイナスイメージを持たれてしまいがちですが、期間限定なこと、契約解除も可能なことをきちんと伝えましょう。
遠方の親戚や知人、友人に頼むときはより丁寧に説明する必要があります。
身元保証人を頼んだ後は、迷惑をかけないよう勤務するだけでなく、無事に入社した後に感謝の言葉も伝えましょう。
身元保証人がいない場合、人事に相談も
転職者によっては、身元保証人を頼める親族がいないこともあるかもしれません。
その場合は、友人や知人など、引き受けてくれそうな人に頼む必要があります。
もし事情がありどうしても身元保証人が見つからない場合、一度人事担当者に相談してみましょう。
正直に伝えることで、アドバイスをもらえる可能性があります。