多くの企業が頭を抱える「内定辞退」。
特に昨今の転職市場では売り手が優位な状況であるため、企業側は優秀な人材をどう確保していくかが課題となっています。
内定辞退を減らすのに内定者との面談を取り入れている企業も多いでしょう。
時間や労力をかけて内定を出した優秀な人材をスムーズに迎えるためには、面談を通して内定者の不安を解消することが重要です。
今回は、内定辞退を防ぐための「内定後面談」の極意をご紹介します。
何故内定辞退が起こるのか?
売り手市場である現在、複数の内定をもらうことは少なくありません。
選考中は企業に採用されるために自分のことをアピールし、多少の疑問があっても気に留めません。
しかし、内定を獲得すると「本当にこの会社でやっていけるのか」「雰囲気になじめるのか」「この企業への入社は自分にとって正解なのか」など自分自身の将来のことを冷静にを考えます。
この時に、企業に対しての疑問や不安が解消されなければ、内定辞退をしてしまう確率が高くなります。
面談では、話しやすい雰囲気を心掛けて
内定者の疑問や不安を取り除くために、面談では内定者の本音を引き出せるような、リラックスできる場をつくることを心掛けましょう。
特に以下の5点は、面接の場では聞けずにいたけれど確認したいという場合が多いので、積極的に伝えていくことも重要です。
●給与
―給与の仕組みや支払日、金額について納得しているか確認
●労働条件
―休暇制度、勤務時間、時間外労働など、求人票の記載よりもより詳しい情報
●福利厚生
―社会保険や企業年金、出産・育児休暇などの制度について
●勤務地
―どこで働くのか、転勤はあるのか
●ポジション・業務内容
―具体的な仕事内容や、上司、部下、部署について
また、入社の最終意思決定に家族の意見を重視する人もいるでしょう。
内定者本人だけでなく、周囲の人々を説得できるように、上記の内容を記した書面を作成することも忘れずに行いましょう。
入社意思と選考状況を確認しよう
就職活動では、多くの人が複数の企業の選考を並行して受けているため、内定承諾後にドタキャンされてしまう…という可能性も残念ながら存在します。
そのため現在の売り手市場では、他社の選考状況や自社の志望度はどのくらいなのかを把握しておくことは重要です。
内定承諾をするかどうかの判断は、内定者にゆだねられています。
自社の内定承諾の期限の目安と、内定者の他社の選考状況を相対的に考え、良識ある対応を内定者に促しましょう。
内定者との相互理解を深めるために
内定者の迷いを無くすために、採用担当者は自社の雰囲気や社員の人間関係、制度の利用状況など、内定者が「知りたい」と思っていることに的確にこたえていきましょう。
また、待遇や業務内容も重要ですが、最後の一押しとして、「この人と働いてみたい」「この会社で働いてみたい」と思わせられるかも内定承諾の一因となります。
内定者面談は、入社前に自社の情報や雰囲気を伝える最後の機会です。
企業の顔として誠実に対応し、信頼関係を築き相互理解を深めていきましょう。