時短勤務制度の条件と導入後の注意

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一日の労働時間を短縮して働くことを「時短勤務制度」といいます。

労働者が、介護や育児などと仕事を両立するためにつくられた制度で、一日の労働時間を6時間としています。
また、特定の一日を7時間労働としたり、隔日勤務にするなど、状況に合わせることも可能です。

そんな時短勤務制度を使用する条件や、導入後に注意すべきポイントをお伝えします。

時短勤務制度が該当する人の条件

以下の条件に当てはまる人が、時短勤務制度を利用することができます。

  • 3歳に満たない子どもがいる労働者である
  • 一日の所定労働時間が6時間を超えている
  • 日々雇用されていない
  • 時短勤務制度が適応となる期間に育児休業していない
  • 労使協定により適用除外とされた労働者でない

簡単にまとめると、3歳に満たない子どもを持つ、フルタイムで働く労働者のことです。


労使協定とは、企業と労働者の間に交わされた協定のことであり、就業してから1年以内の人、出勤日数が2日以下の人、業務内容から短時間での勤務が難しい人が当てはまります。

以下の人が、労使協定により適用除外とされます。

  • 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である
  • 1週間の所定労働時間が2日以内である
  • 業務の性質または業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずることが困難と認められる業務に従事する労働者である

上記のような労使協定により適用除外とされた労働者には、フレックス制度、時差出勤制度、事業所内保育を設置・運営するというような代わりの措置をとらなければなりません。

導入後に気を付けたいトラブル

時短勤務の適応の手続きについては、基本的に企業が定めることができるため、企業によって差があります。
労働者とのトラブルになりやすいポイントを事前にしっかりとおさえておきましょう。

1.給料に関するトラブル

育児・介護休業法には、不利益取り扱い(解雇や降格など)を禁止する条例があります。
時短勤務制度の利用により、労働時間が短縮した分を減額することは違法ではありませんが、それ以上に給料を下げるのは法律違反になってしまいます。

時短勤務制度について、就業規則にしっかりと記載し、企業は社内に周知する義務があります。
誤解を生まないためにも、入社時点で時短勤務制度についてあらかじめ説明しておくと良いでしょう。

キャリアにおけるトラブル

時短勤務制度を利用している労働者は、時間が限られている分負担になるような仕事を避け、業務量に配慮する必要があります。
ですが、時短勤務制度を利用している本人にやる気がないわけではありません。
業務量を減らしたことで、労働者の経験や成長の機会を奪ってしまうということがあるため、業務については労働者とよく話し合い、適切な配分を決めていきましょう。

人間関係におけるトラブル

時短勤務制度を利用している労働者の分の仕事は、ほかの労働者に負担が行きます。
そのため、時短勤務労働者の態度が横柄だと、他の労働者は当然不公平だと感じてしまいます。
時短勤務制度の利用には社内での協力が必須です。
気持ちよく働けるよう、お互いを思いやることのできる環境を作る必要があります。

柔軟な働き方で人材確保を

近年、出産や育児、介護などと両立するための柔軟な働き方が求められています。
しかし、未だ対応しきれていない企業も多く、やる気のある、働きたい労働者が仕方なく辞めてしまうこともあるでしょう。
優秀な人材をに長く働いてもらうためにも、時短勤務制度だけでなくテレワークや時差出勤など、より働きやすい環境を作っていく工夫をしていきましょう。

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