知っておきたいメンタルヘルスの対応と予防策

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「ストレス社会」として、過労死やうつ病の発症などが取りざたされている現在、メンタルヘルス対応や予防策を知っておくことは非常に大切です。

従業員がストレスをため込まないためにも、ストレスのたまりにくい職場環境を作っていきましょう。

メンタルヘルスとは

メンタルヘルスとは、「精神的健康、心の健康、健康衛生」などと言われることもあり、精神的疲労を緩和するサポートや精神障害の回復や予防を目的とする施策に対して使われる言葉です。

職場でのストレスの原因は、人間関係、仕事での失敗、セクハラやパワハラなどのハラスメントなど多岐にわたります。

このような状況で、人事はどのようなメンタルヘルス対策を取ればいいでしょうか。

①早期発見と対応

メンタルの不調は外見からはわかりにくいことが多いです。
そのため、従業員の言葉、態度、行動などから早い段階で不調に気づくことが望ましいです。

特にこの不調に気づきやすいのが、現場の上司や同僚です。
仕事ぶりや勤怠に影響が出る場合が多いので、もし普段と違うと感じたときは、部署の管理監督者が率先して対話しましょう。

現場での対応が難しい場合は、人事担当者が勤怠データや現場からの声を取り入れ、目を配りましょう。

厚生労働省が発行している『労働者の心の健康の保持増進のための指針(メンタルヘルス指針)』では、以下の行動を「いつもとちがう」部下の様子」として挙げています。

  • 遅刻、早退、欠勤が増える
  • 休みの連絡がない(無断欠勤がある)
  • 仕事の能率が悪くなる。思考力・判断力が低下する
  • 不自然な言動が目立つ
  • 服装が乱れたり衣服が不潔であったりする など

もし上記の症状が当てはまる場合、積極的に対話するか管理責任者に注意を促しましょう。

②職場復帰の支援

メンタルの不調により健康を害し、配置転換などによっても改善が見られない場合、治療のための休職、休職からの復帰支援、再発予防策を考える必要があります。

この際、大切なのは、自分たちで判断せず必ず医者の判断を仰ぐことです。

突然の休職にも対応できるよう、は社内外の保険スタッフやカウンセラー、産業医らと連携し、問題に素早く対処できるようにしておくことが望ましいです。

厚生労働省は「職場復帰支援の手引き」として、以下の5つのステップを公開しています。

  1. 病気就業開始、休業中のケア
  2. 主治医による職場復帰可能の判断
  3. 職場復帰可否の判断、職場復帰支援プランの作成
  4. 最終的な職場復帰の決定
  5. 職場復帰後のフォローアップ

真面目な従業員ほど、復帰を焦り再発してしまうことが多いので、復帰後はしばらく責任の重い仕事などは課さないなどの配慮が求められます。

メンタルヘルスの予防策

メンタルヘルスの不調い陥らないためには、ストレスのたまらない職場づくりが不可欠です。

しかし、何がストレスになるかは人によってそれぞれ異なります。
そのため、原因になりそうな問題をひとつひとつ地道に見つけ、改善していく必要があるでしょう。

うちは○○だから、のような型にはめる言葉は使わない、評価基準を明確にするなど制度作りの面からも改善することができます。

すぐに解決できるものではありませんが、少しでもいい職場環境を作るためにも地道な努力を続けていきましょう。

関連タイトル