36協定(正式名称は時間外労働および休日労働に関する届)は、残業や休日出勤などの時間外労働について定めたものです。
この36協定には特別条項があり、きちんと理解しているといないとでは仕事の効率にも差が出てきます。
今回は、36協定の特別条項について説明します。
36協定とは
時間外労働や休日出勤についての決まりが書かれている項目のことを36協定といいます。
この項目には、「残業は1カ月で60時間まで」と決められています。
そのほかにも、基本的な決まり以外にある特別な事情の身に使える特別条項というものもあります。
36協定の特別条項とは
特別条項とは、36協定に定められた労働時間を超えて労働させたい場合に残業時間を増やすことができる制度です。
ただし、あくまでも労働時間を増やすものであり、ただ働きをさせるものではありません。
特別条項には、行使するための条件があります。
36協定特別条項の申請条件
特別条項を申請するには、以下の条件があります。
①残業させる必要がある特別な事情を書く
労働時間は決められています。
そのため、それ以上に残業をさせる場合はその理由を記入する必要があります。
②労働基準監督署に協議してもらう
届出を完成させたら、労働局に審査機関があるため、提出します。
③上限を確認する
残業時間の上限を確認します。
条項では、1カ月60時間まで増やすことができます。
④使える回数を確認する
特別条項を使うことのできる回数は、1年に6回までと決まっています。
使うときはよく考えて慎重に使いましょう。
⑤残業代を増やす
特別条項を使用した場合、給料を上げなければならないという決まりがあります。
⑥残業させる人数を記載する
残業時間はできるだけ正確に記載しましょう。
特別条項を使うときの注意事項
特別条項を使うときはいくつか注意点があります。
①労働環境のチェック
労働環境が整っているか定期的にチェックしなければなりません。
半年に1度ほどチェックしておくと良いでしょう。
②代表者を決めておく
特別条項を申請するときは、代表者を決めておきましょう。
代表者を社員全員が共有しておくことで、何かトラブルが起きた際スムーズに解決できます。
③案件ごとに過半数を超えてはいけない
1度過半数を超えればすべての案件が成立するとは限りません。
会社全体に関わることのため、案件を出すたびに過半数を超えなければ成立しませんので注意しましょう。
④記録の仕方を決める
出勤簿以外にも様々な方法があるので、どのような方法で記録するのかを決め、統一しておきましょう。
⑤実働労働時間を把握しておく
実働労働時間もきちんと記載しましょう。
残業時間を記載する場合にも、実働時間を忘れず記載してください。
特別条項を申請する際には、以上の点を正しく記入しなければ受理されないので注意しましょう。