フリーライダーという言葉をご存知ですか?
わかりやすく言うと「給料泥棒」に近い意味で、放っておくと企業にも大きな悪影響を与える可能性があります。
今回は、フリーライダー問題とその特徴や対策についてお伝えします。
フリーライダーとは
フリーライダーとは、経済学用語などで使われる言葉です。
不労所得者や交通機関にただ乗りする人、必要なコストを負担せず利益だけ受ける人など、つまり「対価を支払わずに利益だけ享受する人」を指します。
ここでいうフリーライダーは、仕事をあまりしていないにもかかわらず給料を多く受け取っている人や、人があげた成果を自分のもののようにふるまい昇給や昇格を狙う人のことを言います。
フリーライダーの特徴4つ
従業員のフリーライダー化を防ぐためにも、フリーライダーの特徴を知っておくことが大切です。
今はフリーライダーでなくとも、予備軍であったり、自分がフリーライダーという自覚がない可能性もありますので、以下のような傾向がある場合注意してみると良いでしょう。
特徴①業務に時間がかかる
業務にどのくらいの時間がかかるかは人によって様々ですが、フリーライダーは仕事に対してやる気がない人が多く、時間がかかります。
最低限の仕事しかしない、他の仕事をしたくないという人のほかにも、わざとだらだらと仕事をして残業代を稼ごうという考えの人も存在します。
特徴②他の社員に仕事を押し付ける
仕事に対するやる気がないため、フリーライダーは面倒で複雑な仕事をしたがりません。
他の社員に仕事を押し付け、自分は単純で簡単な仕事だけを何かしらの理由をつけて行います。
特徴③仕事に対する責任感がない
フリーライダーは、自分に不利益なことを嫌がります。
仕事でミスをしても、言い訳をして責任を取らなかったり、理由をつけて他の社員に責任を擦り付けようとします。
やる気がないためミスに対する改善策も考えず、放置しておくと後々大きなミスにつながることもあります。
特徴④他人を批判する
フリーライダーは、自分のことを棚に上げて、他の人を批判することがあります。
特に自分の業務が増えそうになった時に、ネガティブな言動でその提案やほかの社員の業務内容を批判します。
本人は正しいことを言っているように思っていますが、多くの場合責任逃れや複雑な仕事を避けるために言っているように聞こえてしまいます。
フリーライダー問題が企業に与える悪影響
仕事にやる気がないフリーライダー。
では、社内にフリーライダーがいると、どのような問題が起きるのでしょうか。
問題①周りの社員がフリーライダー化
社内にフリーライダーがいると、周りの社員は不公平感を感じます。
「あの人は仕事をしていないのに給料が高い」「自分だけ頑張るのがばかばかしい」と考えてしまい、モチベーションが下がるだけでなく、周りの社員までフリーライダー化してしまう恐れがあります。
フリーライダーが社内にいると、仕事をしないことを許容しているとみなされてしまいます。
さらに他の社員にもさぼりの免罪符を与えることになり、社内の雰囲気も悪化してしまうでしょう。
問題②企業の不利益につながる
フリーライダーが仕事をしなくても、全体の仕事量は変わりません。
他の誰かが、さぼっている仕事を代わりにすることになります。
仕事のできる優秀な社員にそのしわ寄せがいってしまいがちなので、モチベーションの低下や、最悪の場合それが原因で離職してしまい優秀な人材の損失につながります。
また、フリーライダーが社内にいると雰囲気が悪くなりコミュニケーションも不足するため、業務の質や生産性の低下、最終的に企業の不利益へとつながるでしょう。
フリーライダーへの対策
社内にいるだけで悪影響のあるフリーライダー。
以下に対策をまとめましたので、問題が起きる前に早めに対応していきましょう。
対策①社員一人ひとりがどんな仕事をしているのかわかるようにする
同じ部署内でも、誰がどんな仕事をしているのかを完全に把握することは難しいです。
また、上司が部下の仕事を把握しきれていないこともあるため、「さぼってもばれない」と考えフリーライダー化する人もいます。
日報や週報などを取り入れることで、どんな仕事をしているのかを確認できるようにすると良いでしょう。
ただし、日報や週報を取り入れることで本来の業務に支障が出てはいけないので、軽い報告程度で問題ありません。
対策②人材教育に対する時間を割く
特に中途採用では、即戦力となる社員を求めがちですが、社員の教育に時間を割くことはとても大切です。
業務のやり方や細かいルールなどは会社によって異なります。
企業と即戦力人材の間に意見の相違がある場合、後々のトラブルにつながり、それが原因でフリーライダー化してしまうことがあります。
きちんと人材教育に時間を割き、納得した上で業務をしてもらうことを意識しましょう。
対策③成果や過程に応じて適切な評価をする
成果ばかりを重視しがちですが、そこに至るまでの過程への評価も重要です。
適切な評価をすることで従業員のモチベーションが上がり、いい結果を出そうと試行錯誤します。
成果だけで判断すると、適切な判断は難しくなります。
その時の状況も様々ですし、実際に業務に取り組む社員側と報告を受ける上司側では、その成果に対する評価が一致しているとは必ずしも言えません。
過程を無視して成果だけで評価してしまうと、努力しても無駄と思われ、努力することをやめてしまう可能性があります。
業務に取り組んだ従業員が納得できるよう、成果と過程を総合的に判断して評価するよう心がけましょう。