タイムカードやクラウドシステムなど、様々な方法がある勤怠管理。
従業員に適切な給料を支払うためにも、勤怠を正しく把握することは大切です。
今回は、勤怠管理を正しく行う必要性をお伝えします。
勤怠管理とは?
勤怠管理とは、従業員の出勤や退勤、労働時間、休憩時間や休暇などの勤務状況を把握することです。
勤務状況の管理には、以下の情報を把握しておく必要があります。
- 出退勤の時刻
- 労働時間
- 休憩時間
この三つは労働時間を把握するための基本情報で、賃金を適切に管理するために一分単位で管理します。
- 時間外労働時間
- 深夜労働時間
- 休日労働時間
これらは割増賃金を払う必要のある時間です。
こちらもそれぞれ設定されている割増率で計算する必要があるため、一分単位で管理します。
- 出勤日
- 欠勤日
- 休日出勤日
勤務状況を一カ月単位で把握するために必要な項目です。
休日出勤や出勤日変更による代休取得状況を把握しておかなければ給与計算ができません。
- 有給取得日数
- 有給残日数
誰がどのくらい有給を消化できているのかを把握するために必要です。
勤怠管理の必要性
それでは、何故勤怠を管理する必要性があるのでしょうか。
1.法令順守のため
そもそも、労働基準法によって使用者が適正に把握することを義務付けられています。
使用者は、労働基準法第108条及び同法施行規則第54条により、労働者ごとに、労働日数、労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければならないこと。
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
また、賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や、故意に賃金台帳に虚偽の労働時間数を記入した場合は、同法第120条に基づき、30万円以下の罰金に処されること。
違反した場合には罰則処分を受ける可能性もあるので注意したいですね。
2.給与計算のため
従業員に適切な給料を支払うためにも、勤怠管理は必要です。
「誰が、いつ、どのくらい働いたか」を把握することにより、適切な計算をすることができます。
3.従業員の健康を守るため
勤怠管理をすれば、残業が多い従業員もわかります。
勤務状況に問題のある従業員の業務見直しを行うなど、健康を守るための対策を行うためにも勤怠管理は必要です。
勤怠管理の手法 メリット・デメリット
勤怠管理を行うための手法は様々です。それぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。
タイムカード
1人につき1ヶ月分の勤怠状況を1枚のシートで管理する方法です。
出退勤時にレコーダーへ紙のシートを差し込むと、勤怠打刻されるアナログ式の手法です。
メリット
・方法がシンプルなので誰でも簡単に使用できる
デメリット
・出退勤日・時刻の不正が起こりやすい
・タイムカードを収集し、エクセルなどに手動でデータを取り込む必要がある
勤怠管理システム
PCやスマートフォンと連携し、クラウド上で勤怠管理ができるシステムです。
メリット
・指紋認証やICカード打刻のため、不正が起こりにくい
・リアルタイム集計ができる
・給与ソフトなどと連動でき、ミスが起こりにくい
デメリット
・従業員の打刻忘れが起こりやすい
勤怠を正しく把握しよう
勤怠管理の必要性と手法をみてきましたが、いかがでしょうか。
特に、働き方改革で残業の削減や有休消化が義務化された現在、残業時間や誰がどのくらい消化したのかを把握しておくことは大切です。
罰則や訴訟を防ぐためにも、勤務状況は正しく把握しましょう。